AOSSL - Always on SSL
AOSSL (Always on SSL) とは、ウェブサイト内のすべてのページやコンテンツを、暗号化された安全な HTTPS (SSL/TLS) 接続でのみ配信するセキュリティ運用を指します。ログインページや決済ページなど一部だけでなく、常に通信を暗号化することで、ユーザーのデータプライバシーと通信の完全性を強化することが目的です。
主な特徴とメリット
サイト全体の暗号化
AOSSLを導入すると、HTMLや画像、スクリプトなど、あらゆるリソースがHTTPS経由で提供されるため、通信の盗聴や改ざんを防止できます。
機密情報の保護
ユーザーの認証情報や支払いデータなど、機密性の高い情報を常時安全に守ります。
セッションハイジャックや中間者攻撃などのリスクを低減します。
一貫したユーザー体験
HTTPとHTTPSの切り替えが発生しないため、ブラウザ上で常に安全なサイトであることを示す鍵アイコンが表示され、ユーザーに安心感を与えます。
SEO上の利点
Googleなどの主要検索エンジンはHTTPSサイトに若干の優遇を与える傾向があります。
HTTPS化によりサイトが安定して読み込まれ、離脱率の低下などのエンゲージメント向上も期待できます。
業界標準・法規制への対応
個人情報や決済情報を扱う場面で、通信経路の暗号化は多くの規制・業界ガイドラインにおいて推奨・要求されています。
AOSSLにすることで、これらの要件を標準的に満たしやすくなります。
導入時のポイント
サーバー設定
証明書(商用の認証局から購入する、または Let’s Encrypt などを利用する)を正しくインストールする。
HTTPへのアクセスをHTTPSへリダイレクトする(301リダイレクト)設定を行う。
混在コンテンツの回避
すべての内部リンクや画像・スクリプト・埋め込みコンテンツが「https://」を使用するよう修正する。
HTTPSページ上で非HTTPSリソースを読み込むと、ブラウザの警告が出たり、コンテンツがブロックされる場合がある。
パフォーマンスの最適化
近年のHTTPSプロトコルは高速化が進んでおり、暗号化によるオーバーヘッドは最小化されている。
HTTP/2 の採用により、暗号化した通信においてもマルチプレクシングなどで読み込み速度を改善できる。
テストとメンテナンス
SSL設定の誤りやブラウザ互換性を確認し、すべてが安全に配信されるかをテストする。
証明書やサーバーソフトウェアを最新の状態に保ち、新たな脆弱性にも対応する。
まとめ
AOSSL (Always on SSL) は、サイト内のすべてのページやリソースをHTTPS経由で配信する運用方法を指します。常時暗号化された通信を行うことで、ユーザーのプライバシーや機密性を保護し、信頼性の向上・検索順位の優遇・法令順守といったメリットも得られます。