ページエクスペリエンスアップデート

ページエクスペリエンスアップデート(Page Experience Update)は、Googleが2021年6月に導入した検索アルゴリズムの変更の一つで、ユーザーエクスペリエンス(UX)に重点を置いたウェブサイトの評価を強化することを目的としています。このアップデートは、特にCore Web Vitals(コアウェブバイタル)を含む一連の指標に基づいて、ウェブページの品質を評価します。

ページエクスペリエンスアップデートの主な特徴

  1. Core Web Vitals:

    • LCP(Largest Contentful Paint):主要コンテンツが完全に表示されるまでの時間。

    • FID(First Input Delay):ユーザーが最初に操作したときの応答速度。

    • CLS(Cumulative Layout Shift):ページ読み込み中の予期しないレイアウトの変更度。

  2. モバイルフレンドリー:

    • ページがモバイルデバイスで快適に表示され、操作できること。

  3. セキュリティの確保:

    • ページがHTTPSで提供されていること。

  4. インタースティシャルのない快適な閲覧:

    • 広告やポップアップなどのインタースティシャルがユーザーの閲覧を妨げないこと。

  5. 安全なブラウジング:

    • ページがマルウェアやフィッシングなどの有害なコンテンツを含んでいないこと。

ページエクスペリエンスアップデートの影響

  1. 検索順位の変動:

    • ユーザーエクスペリエンスの評価が向上したウェブサイトは検索順位が上昇し、逆に評価が低いウェブサイトは順位が下がる可能性があります。

  2. ウェブサイトの最適化が重要:

    • ページ読み込み速度、モバイル対応、セキュリティなど、ユーザーエクスペリエンスに関わる要素の最適化がより重要になります。

  3. ユーザーエンゲージメントの向上:

    • 高品質なユーザーエクスペリエンスを提供することで、訪問者の満足度やエンゲージメントが向上し、サイト滞在時間やコンバージョン率が高まります。

ページエクスペリエンスアップデートへの対応策

  1. Core Web Vitalsの最適化:

    • LCP(Largest Contentful Paint):ページの主要コンテンツが迅速に表示されるように、画像の最適化やサーバー応答時間の短縮を行います。

    • FID(First Input Delay):JavaScriptの最適化やメインスレッドの負荷を減らし、ユーザーの操作に迅速に応答できるようにします。

    • CLS(Cumulative Layout Shift):画像や広告のサイズを指定し、レイアウトのシフトを防ぎます。

  2. モバイルフレンドリーなデザイン:

    • モバイルユーザーのためにレスポンシブデザインを採用し、タップターゲットの間隔やテキストのサイズなどを最適化します。

  3. HTTPSの導入:

    • サイト全体をHTTPSに移行し、ユーザーのデータを保護し、信頼性を向上させます。

  4. インタースティシャルの管理:

    • 広告やポップアップを適切に配置し、ユーザーの閲覧体験を妨げないようにします。

  5. 安全なブラウジングの確保:

    • サイトがマルウェアやフィッシングの脅威を含んでいないことを確認し、定期的にセキュリティチェックを行います。

ページエクスペリエンスアップデートの実用例

  1. Eコマースサイト:

    • 商品画像の最適化やサーバーの応答時間の短縮により、LCPを改善します。また、購入プロセスでのユーザー操作に迅速に応答するため、FIDを最適化します。

  2. ブログサイト:

    • コンテンツが迅速に表示されるように画像や動画を最適化し、記事が読みやすいフォーマットで提供されるようにします。モバイルフレンドリーなデザインも重要です。

  3. 企業サイト:

    • サービス紹介ページやお問い合わせフォームがスムーズに表示され、操作できるように最適化します。HTTPSの導入とセキュリティの確保も必須です。

ページエクスペリエンスアップデートは、ウェブサイトのユーザーエクスペリエンスを重視したアルゴリズム変更であり、これに対応することで検索ランキングの向上やユーザー満足度の向上が期待できます。

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